居合腰


2007年11月5日 会代表:田中弘文


   居合道に「足いたり、腰いたらば、剣いたる」の教えがある。 したがって、居合道の修業は足腰の鍛錬が最も大切といわれる。
   私は、師の吉成先生から常々腰が高いことを指摘されていたが、最近やっとこの点の御指摘を受けなくなった。 居合腰が出来てきたのかと自画自賛している。
   先日TVで全日本剣道大会の試合を見たが、 剣道の一本を決めた瞬間の選手の両足は空中にあって床を踏みしめていないことを知った。
   田宮流にも跳躍して切る技がある、表之巻「嶺上」と奥伝虎乱の巻「飛鳥」である。
だが、居合道の大半の技は居合腰で足は床をしっかり踏みしめる。
抜き付け、切り下げ、納刀等の業は居合腰で丹田に気を入れて、 下半身を使って気・体・剣を一致させた状態で行うことが大事である。

   居合腰とは何か考えてみたい。 全剣連の居合教本には、「残心の気構えで両膝をわずかにまげ、腰を落とした姿勢」と規定している。 しかし、この解説では居合腰を充分説明していない、いや不十分である。
   私が学ぶ田宮流の教えに腰詰(居合腰)という教えがある。

【 足は前膝〔右〕を心持かがめて、後ろ膝(左)は軽く伸ばして(伸びきるのではない)
  両足の膝と股を内側に絞る心持ちで力をいれてガッチリさせること。
  後足で前足を常に押す気持ちが必要である。】

【 田宮流伝書には
  右膝と左の腰をカネにして、打つカスガイを腰詰めという
  この「腰詰」ゆるめば打ち込む刀は正しく当たらず、手の内廻る。
  (解釈)右膝と左腰との締め合わせは、家を作る時に
  カスガイ(鎹)を打つように固めなければならない。
  この腰詰が緩むと打ち込む刀も正しくならず、また手の内も狂いが生ずる。】

【 】内は妻木正燐著 詳解田宮流居合より引用

   この田宮流の教えは、居合を修練する者にとって極めて大切なことでしっかりと身につけねばと思っている。 居合技すべての動作の土台である下半身が不安定では、 いくら勢いのある抜き付けや切り下げを行っても気・体・剣一致した業にはつながらない。
腰詰(居合腰)が上手くとれるか否かが居合業の上達には欠かせないと考え日々の稽古に励みたい。

(2007.11.5)

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